マンションを売る(貸す)流れを最初から最後まで把握する

マンションを売るのが得なのか、もしくは貸す方が得なのかを正しく判断するためには両方の流れをしっかりと把握しておくことが重要です。

詳細についてはこのサイトを通して紹介していますが、ここではその両方の流れをわかりやすくまとめました。

マンションを売る(貸す)流れ

Step1: 物件の状態と自分の状態を整理する

不動産会社に相談をする前に自分の状況と物件の状態を整理しておきましょう。

まずあなたの状態を整理する必要があります。以下のようなことは実際に不動産会社に相談しても聞かれるので、事前に準備をしておきましょう。

  • なぜマンションを売る(貸す) ことにしたのか
  • ローンの返済状況、貯金の状態
  • 今後そのマンションに住む予定はあるか?
  • この日までにどうしても売ら(貸さ)ないといけない期限はあるか?

次の物件の状態を整理します。実際の値段は最終的に不動産会社と相談をしながら決める事になりますが、良い不動産会社かどうかを判断するためにも物件の状態を自分で整理しておくことが重要です。

  • 物件の状態はどうですか?ペットを飼っていて傷が多かったり、汚れていたりしませんか?
  • インターネットを検索して、売却(賃貸) に出ている同じ条件の物件から相場を把握する。
  • 購入時の資料は残っていますか?

自分の状況と物件の状態を整理することでこれからの Step で貸すか売るかの判断がしやすくなります。

Step2: 不動産会社に査定を依頼する (契約はまだ!)

実際に貸した場合の相場と売った場合の相場を複数の不動産会社に出してもらいましょう。ただし、ここでは見積もりを依頼するだけでまだ契約はしないことをおすすめします。

なぜかというと、この時点で不動産に相談をすることには以下の二つの目的があるからです。

  1. 物件の相場を把握する
  2. 良い不動産会社の担当者を探す

1. 物件の相場を把握する

不動産会社には個人ではアクセスができないデータベース(レインズ)があります。各社このデータベースの情報を参考に査定額を提示してくれます。

みんな同じデータベースを参照しているなら一社に問い合わせればいいんじゃないの?って思ってしまうかもしれませんが、各社そのデータをもとに現在の市場などを算出するため、実際に提示される査定額は各社異なります。

実際のデータとそこから導き出された複数の査定額から相場を把握することができます。

2. 良い不動産会社の担当者を探す

もう一つの目的は良い不動産会社の担当者を探す事です。マンションを売るにしても貸すにしても、損をしないために重要な事は良い不動産会社の担当者と契約をすることです。

複数社に問い合わせることで複数人の担当者と相談することができ、これは良い担当者かどうかを判断するための貴重なチャンスとなります。。

各社担当者とのやりとりでは実際に提示される査定額だけではなく、以下のようなことを気にかけましょう。

  • 聞いたことに応えるだけではなく質問をして聞き出してくれるか?
  • あなたの状況を把握しようとしてくれるか?
  • 結論に急いでいないか?契約をすぐにしようとしないか?
  • 良いところだけではなく、悪いところも教えてくれるか?
  • 会話のやり取りはスムーズか?適切に返答を返してくれるか?
  • 担当者としての対応や印象はいいか?

繰り返しにはなりますが、この時点ではまだ契約をする必要はありません。この人が今後あなたの物件を任せるためにふさわしい人かを判断する機会にしましょう。

Step3: 売るか貸すかを判断する

ここまでこれば売るか貸すかを判断するために必要な情報がすべて揃っているはずです。これら情報をもとに「売るか」「貸すか」を判断します。この時、タイミングをずらすために「空き家のままにする」というのも一つの手だということを忘れずに。

売った場合に比べて、貸す場合には今後も物件を保有することになるため検討することがたくさんあります。不動産会社によって賃貸のサポート体制は異なるので、このあたりについても十分に理解しておきましょう。

また、賃貸に出した場合には今後の景気など、売却することに比べると不確定要素がどうしても発生してしまいます。しっかりとシミュレーションをして、今後の収支を具体的に想定できる状態にしましょう。

もしまだ疑問があったり決められない理由がある場合には判断を急がず、何度でも不動産会社に相談をしてください。この間不動産会社にはなんの利益も発生しないため相談に乗ってくれないと思ってしまうかもしれませんがそんな事はありません。大金が動く話なので、納得がいくまで相談に乗ってもらいましょう。

最後に、もっとも大事なのは不動産会社の担当者です。この時点では複数社の担当者の中から信頼できる担当者が見つかっているはずです。

売るにしても貸すにしてもこの担当者とは長い付き合いになりますので、万が一まだ信頼できる不動産会社の担当者とまだ巡り合えていない場合には、改めて別の不動産会社とも相談することをおすすめします。

売る人はこのまま Step4(売る): 不動産会社と媒介契約を結ぶ
貸す人は Step4(貸す):不動産会社と賃貸借契約を結ぶ までスキップ

Step4(売る): 不動産会社と媒介契約を結ぶ

ここでやっと不動産会社と契約を結びます。

媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の 3 種類がありますが、これは不動産会社との約束になります。契約によって制限が変わるので、それぞれの違いはしっかりと理解しておきましょう。

媒介契約の種類によって詳細は異なりますが、契約を結ぶと制約も出てきます。例えば「船員媒介契約」を結んだ場合には、3 ヶ月間はその不動産会社以外に依頼をすることができません。

基本的には「この不動産会社の担当者と最後までやりきる」と決めた場合にだけ契約をしましょう。

Step5(売る): 販売活動から購入希望者が見つかるまで

媒介契約を結ぶタイミングで不動産会社と売却価格をいくらにするのかを決めます。その売却価格で、不動産会社が販売活動を開始してくれます。

不動産会社がどのように物件を紹介するかによって購入希望者の有無が変わってくるので、販売活動の内容は不動産会社に共有してもらいましょう。

購入希望者のほとんどが内覧を希望されます。購入希望者が買うと決めるためには大事な場面なので、しっかりと準備をしておきましょう。

また多くの場合「公開していた値段より 100 万円安くしてくれたら買う」という交渉が発生します。どのように進めるべきかを入念に不動産会社の担当者と相談しながら進めましょう。

実際に購入希望者が買う意思を示すと、不動産会社から物件の状態や契約の様々な取り決めについて説明がされます。双方合意の場合にだけ契約をすることになります。

多くの場合、ここで不動産会社に仲介手数料の半分を支払うことになります。これまで色々と進めてきましたが、ここで初めて支払いが生じます。

また、購入希望者から手付金を受け取ります。この後、万が一購入希望者の気が変わっても、この手付金は受け取ることができます。

Step6(売る):契約締結から引き渡しまで

ここまでくるとほぼ完了ですが、まだその物件に住んでいる場合には引っ越し、公共料金の支払い、住民票の移動など、引き渡しの準備を進める必要があります。

不動産会社と購入者と日程を合わせて、「代金の受領」「物件の引き渡し」「ローンの完済」「抵当権の抹消」をすべて同時に進めます。このために必要な書類も事前に準備をします。

以上を持って売買契約は完了です。

最後に利益が発生した場合には確定申告が必要になります。

Step4(貸す):不動産会社と賃貸借契約を結ぶ

不動産会社と実際の賃料 (礼金・敷金の設定含む)、募集条件 (ペットや喫煙の可否など) や、契約の詳細について詰めます。

マンションを賃貸として貸す場合には様々なサービスを不動産会社に委託することができるので、こういったサービスの利用の有無についても確認し、不動産会社と賃貸借契約を結びます。

マンションを売るのか貸すのかを判断するタイミングでこのあたりの内容は既に決めている事が望ましいです。ここではその内容に従って契約を結ぶだけなので迷う事はあまりないはずです。

Step5(貸す):入居者の募集から賃貸契約を結ぶまで

契約をすると不動産会社が入居者を募集してくれます。どういった募集をしてくれるのかも不動産会社によって異なるので、契約前に把握しておきましょう。

入居検討者が現れると物件を見に来ますので、それまでにハウス クリーニングや引っ越しなど、引き渡せる状態にする必要があります。

ここから入居希望者とのやり取りは基本的にはすべて不動産会社を経由して行われるので、内見に立ち会う必要はありません。

内見者が入居を希望者する場合にはその人が入居者として適切かを審査し、賃貸契約を結びます。契約に必要な書類や重要事項の説明は不動産会社側で作成してくれます。

Step6(貸す):引き渡しから運用まで

借り主に鍵を渡して、物件を賃貸として貸し出します。

賃貸契約に指定された入居日から賃貸が発生します。基本的には次の更新のタイミングまで定期的に家賃収入を得ることができますが、その間全く何もしなくてもいいというわけではありません。

仮に設備の不良があった場合や、入居者からクレームがあった場合には対応する必要があります。また、賃料が支払われない場合には催促などをする必要があるかもしれません。

こういった手間の多くは不動産会社に委託することができるので契約前に把握しておくことが重要です。

借主がこのまま住み続けてくれる場合には更新 (一般的には 2 年) 手続きが必要になります。また、借主が出た場合には改めて入居者を募集する流れになります。

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