不動産会社が利用する共通データベース レインズ(REINS)

レインズとは不動産会社が使うことのできる共通のデータベースです。ここに物件情報が登録されることにより他の不動産会社でもその物件情報をリアルタイムに見ることができます。

マンションを売る場合にも貸す場合にもこのレインズがほぼ確実に利用されることになります。まずは具体的にレインズが何なのか、またレインズがどのようにして利用されているのかを理解しましょう。次はレインズを利用するメリットとデメリットもお伝えします。

レインズ (REINS) とは

レインズとは Real Estate Information Network System (REINS) の略称で、国土交通大臣から指定された不動産流通機構が運営しているデータベースの名称です。つまり、国から指定されている共通のデータベースに不動産情報が集約されていて、不動産会社はそのデータベースを利用することができます。

先ほどレインズが「ほぼ」確実に利用されると書きましたが、レインズに物件情報が登録されるかどうかは不動産会社と結んだ媒介契約に依存します。 3 種類ある媒介契約のうち、「専属専任媒介契約」と「専任媒介契約」の場合には法律的にレインズへの登録が義務付けられています。「一般媒介契約」の場合には法律的な義務はありませんが、任意で登録することができるようになっています。(媒介契約については「不動産会社と結ぶ媒介契約の種類」で説明しています。)

つまり、不動産会社と契約をした物件に関してはほぼすべてがレインズに登録されることになり、それがリアルタイムで他の不動産会社と情報が共有されます。また、その情報は蓄積されていき、不動産会社は過去の情報を事例として利用することができる仕組みになっています。

都道府県で分けられている 4 つのレインズ

我々はあまり意識する必要はありませんが、レインズは全国で 4 つエリアに分けられていて、都道府県別にどのデータベースが利用されるかが決まっています。全国的にレインズが指定されているため、極端な話北海道の買い手が東京の物件を探すこともできるようになっています。

• (公財) 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)
  北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・山梨県・長野県

• (公財) 中部圏不動産流通機構(中部レインズ)
  富山県・石川県・福井県・岐阜県・静岡県・愛知県・三重県

• (公財) 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)
  滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県

• (公財) 西日本不動産流通機構(西日本レインズ)
  鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県

誰でもレインズを参照することはできるのか？

残念ながらレインズを参照するためには機構会員の資格が必要であり、一般人が参照することはできません。また、すべての不動産会社がレインズの会員になっているわけでもありません。今でもインターネットに頼らず、昔ながらの方法で運営している不動産会社も存在しています。そういった不動産会社の物件はレインズには含まれていません。

レインズに登録することにより幅広いエリアで情報が共有されることになるため、売り手にとっては利用する価値のあるデータベースです。しかし、場合によってはレインズに登録をしない方がいい場合もあります。

より具体的に理解するために、次はレインズを利用するメリットとデメリットを見ていきましょう。