「仲介」と「買取」システムとは?
「買取」システムのメリット
通常ならマンションを売るときに最も大事なのは高く売れることです。しかし、先ほどお伝えしたとおり、「買取」システムを選ぶと最高値では売れることはありません。それなのに、なぜ不動産会社にマンションを買い取ってもらう方法を選ぶ人がいるのでしょうか?
結論からお伝えすると、大きな理由が二つあります。一つ目は「売却までの時間が短い」ということ。つまり、現金が手に入るまでの時間が短いということです。そして二つ目は「楽」という点です。
これ以外に大きなメリットはありません。言い換えると、売るのと貸すのとどちらが得なのかを考えている人にとっては、仲介の方がメリットが多いでしょう。
他にも、不動産会社が買取を選ぶ利点としてあげている理由は色々あります。マンションを買うか売るかで悩んでいる人にとってはどれも当てはまらないはずですが、実際にどういった理由があげられているのかを見てみましょう。
1. 売却までの時間が早い (即現金化)
「多少安くても早くお金が早くほしい」これが買取を選ぶ最も大きな理由です。仲介を依頼した場合、早くても 2,3 ヶ月はかかります。買取の場合には、不動産会社に直接売ることになるため、早ければ数週間とかからず完結します。このようにいくらでもいいから早くお金がほしいという場合には買取システムはすごく有効です。
2. 楽
「仲介」でマンションを売却することは決して楽ではありません。信頼できる不動産会社の担当者を見つけること自体も大変ですし、そのあとの「査定」「販売活動」「内覧」「交渉」「引き渡し」とどれも時間も労力もかかります。
もちろん、「買取」を選ぶ場合にも、不動産会社によって買い取ってもらえる値段に差があるため、複数の不動産会社と話すことをお勧めします。しかし、仲介とは違い直接不動産会社とのやり取りになるため、プロセス的には楽になり、話が早く進みます。
3. 売却後のトラブルなし (瑕疵担保責任が免除される)
瑕疵担保責任がない点を買取のメリットとして紹介している場合がありますが、仲介と比べてほんとに大きなメリットなのでしょうか?
マンションを売却する場合、瑕疵担保責任というものがあります。マンションが売れたとしてもそのあと問題が見つかった場合には、たとえあなたが認識していなかったとしても修繕することになる場合があります。
「買取」では不動産会社が引き取ってくれるため、瑕疵担保責任が免除されると記載されています。一見、大きなメリットのように見えますが、ほとんどの不動産会社では「仲介」においてもしっかりとどのようにサポートするかが決まっています。
トラブルにならないように事前にチェックし、問題となる可能性がある点を報告し、同意をもらいます。また、契約等においてもその後トラブルにならないように明記されることが一般的です。
瑕疵担保責任は重要な項目ですので、仲介を依頼する場合にもその不動産会社がどのようにサポートしてくれるのかは確認しましょう。サポートがしっかりとしていれば問題ありませんので、これ単体では「買取」を選ぶ理由にはなりません。
3. その他もろもろ
他にも以下のような点が「買取」のメリットとして紹介されています。
- 訳あり物件が売れる
- 古い物件が売れる
- 売れ残った物件を売れる
- リフォーム必要なし。室内の状況問わず買い取ってもらえる
- 仲介手数料無料
たしかに売れない物件を買い取ってくれる事はありがたいことかもしれません。しかし、最初に紹介した通り、不動産会社はその物件が利益を生むと想定しているから買い取ります。つまり、買い取った後、その物件をリフォームしたり、何らかの方法で買取価格以上の値段で売れるもしくは貸すことで利益を出せると考えています。
また、仲介手数料が無料になるという点を押している場合もあります。しかし、そもそも値段が大幅に安くなっているのでこれを買取のメリットとしたあげるのは違うと思います。
マンションを売るか貸すかで迷っている状態であれば、いずれも「買取」を選ぶ理由にはりません。むしろ、その不動産会社がどのように利益を出そうとしているのかが知りたいところです。不動産会社が実施しようとしている手法を自分で実施することが、そのマンションで一番利益を生む方法になるのではないでしょうか?
「買取」を選ぶか「仲介」を選ぶか
ここまでに書いた通り以下が今回のポイントとなります。
- 「買取」だと早いが 3 割程度安くなる
- 不動産会社が買い取ってくれるのはその物件で利益を生むことができるから
マンションを売るか貸すかで迷っているほとんどの人が、利益を大きくしようと考えているはずです。そのためには、「買取」という選択肢はありません。マンションをより高く売るためには「仲介」を選ぶべきます。